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方野 量太; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*
Nuclear Science and Engineering, 196(10), p.1194 - 1208, 2022/10
被引用回数:1 パーセンタイル:31.61(Nuclear Science & Technology)本研究では、炉心核特性の核反応断面積に対する感度係数を効率的に行うROM-Lasso法を提案した。本手法は、求めたい感度係数ベクトルを、Reduced Order Modeling (ROM)の考えた方に基づき、Active Subspace (AS)と呼ばれる部分空間基底で展開する。その後、各展開係数をランダムサンプリングにより得られる多数の微視的多群断面積摂動セットと炉心核特性を用いたLasso線形回帰によって求める。本手法はForward計算のみ実施するためAdjoint法の適用が困難な場合でも適用が可能である。さらに、ASは感度係数ベクトルをより少ない次元数で再現する実効的な部分空間であり、元の次元数(入力パラメータ数)より大幅に未知数を削減することから、ASを用いないLasso推定と比較し劇的に計算コストを改善する。本論文では検証計算としてADS燃焼計算における感度係数評価を行い、ASを求める具体的な処方を示し、提案手法の適用性を示した。
永井 晴康
JAERI-Data/Code 2003-021, 36 Pages, 2003/12
地表付近の熱,水及び物質交換の研究に適用する目的で、大気-陸面結合モデルの開発を行っており、並列計算通信ライブラリMPI(Message Passing Interface)を用いたモデル結合手法を考案した。大気モデルにはペンシルバニア州立大学と米国大気研究センターが開発したメソスケール非静力大気モデル(PSU/NCAR-MM5)を、陸面モデルには原研で開発した接地層大気,土壌及び植生を含む詳細なモデル(SOLVEG)を用いた。また、MPIとしては、原研で開発した異機種並列計算機間通信ライブラリ(Stampi)を用いた。各モデルの独立した平行計算において、それぞれの計算結果をMPIにより交換し合うことにより結合を行う。
岩本 修
JAERI-Data/Code 2003-020, 22 Pages, 2003/12
アクチニド原子核の核データ評価のために、新たなチャンネル結合光学モデル計算プログラムを開発した。コード独立性の高いモジュールで構成され、大きな融通性を持っている。コードはオブジェクト指向技術を用いて、C++言語で記述されている。プログラムにはパラメータのフィッティング機能があり、複数の原子核に対しても同時に行うことが可能である。計算に必要な式及び数値的取り扱い,入力パラメータについて記述してある。また入力パラメータの例及びその出力結果を示す。
Sun, W.*; 渡辺 幸信*; Sukhovitskij, E.*; 岩本 修; 千葉 敏
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(9), p.635 - 643, 2003/09
被引用回数:10 パーセンタイル:56.43(Nuclear Science & Technology)軟回転体模型とチャンネル結合模型を結合することにより、sdシェル原子核のSiに対して、原子核レベル構造及び200MeVまでの核子散乱データの統一的解析を行った。軟回転体模型及び光学模型のパラメータを求めた。計算結果は集団準位と中性子全断面積や陽子反応断面積,核子散乱角度分布などの核子相互作用の実験データを両方ともよく再現している。
柴田 恵一
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(10), p.1065 - 1071, 2002/10
被引用回数:6 パーセンタイル:39.54(Nuclear Science & Technology)Naの中性子核データを20MeVまでのエネルギー領域で評価した。評価したのは、弾性・非弾性散乱断面積,捕獲断面積,(n,2n)反応断面積,(n,p)反応断面積,(n,)反応断面積,(n,np)反応断面積,(n,n)反応断面積,線生成断面積及び中性子,線の角度・エネルギー分布である。評価は、主に原子核模型計算に基づいている。複合核過程に加えて、前平衡及び直接反応過程も考慮された。評価値はJENDLの最新版であるJENDL-3.3に収納された。
岩本 修; 中川 庸雄
JAERI-Research 2002-013, 18 Pages, 2002/07
10eVから20MeVの入射中性子に対するPuの断面積と放出中性子の角度分布及びエネルギー分布を統計模型とチャンネル結合光学模型を用いて評価した。計算結果はENDF-6フォーマットに編集し評価済核データライブラリJENDL-3.3に格納した。10eVから30keVを非分離共鳴領域とし、断面積を再現する平均の共鳴パラメータを求めた。核分裂中性子のエネルギー分布を与えるMaxwell温度を計算した断面積を用いて系統式から推定した。
藤本 望; 山下 清信
JAERI-Research 99-059, p.43 - 0, 1999/11
これまで、HTTRの炉心解析モデルについて、VHTRCの実験結果を用いて検証が行われてきた。またモンテカルロコードとの比較に基づき、ゼブラ型反応度調整材の形状及び位置の効果、中性子ストリーミング効果を考慮できるようモデルの改良が進められてきた。さらにこの改良モデルを用いて臨界試験の予備解析が行われてきた。しかしながら臨界試験の結果から、予備解析に用いたモデルでも過剰反応度を過大に評価することが明らかとなった。検討の結果、燃料セルの外径が過大で実際より減速材の黒鉛が多いため柔らかい中性子スペクトルとなり、Uの核分裂断面積を大きく評価していることが原因であると考えられた。そこで、燃料セルの外径をこれまでより小さい、燃料棒のピッチによる値とすることにより、臨界試験結果とよく一致する結果を得ることができた。
藤本 望; 山下 清信; 秋濃 藤義
JAERI-Research 99-052, p.51 - 0, 1999/09
VHTRC炉心に複数本の反応度調整材(BP)棒を装荷した実験結果について、BP反応度価値の解析精度を評価した。その結果、HTTRの核設計に用いている、ブロック内を均質としたモデルではBP反応度を20%程度過小評価することが明らかとなった。この結果は、BP反応度を系統的に過小評価しているため、過剰反応度を高めに評価するという観点からは保守的であり安全上問題ない。しかしながら、高温ガス炉の設計の合理化、将来炉の設計、HTTRの運転管理等のためには評価精度の向上が必要である。そこで、BP位置をモデル化し炉心内のインポータンス分布をより詳細に考慮すれば精度が向上すると考え、燃料体内でのBP棒の位置を考慮できるよう燃料体のメッシュ分割数を増やしたモデルを作成した。このモデルとともに、炉心計算のBP棒領域に対応する範囲で均質化することにより作成した実効断面積を用いることにより、10%以下の誤差でBP反応度を評価できることが明らかとなった。
Sukhovitskii, E. S.*; Y.V.Porodzinskii*; 岩本 修; 千葉 敏
JAERI-Research 97-059, 24 Pages, 1997/09
Soft-rotator Modelを用いてCの核構造及び中性子との相互作用データの解析を行った。はじめにCの低集団励起レベル構造の解析を行い、これらのレベルを良く再現できることが分かった。この解析によって得られた内部波動関数は中性子全断面積及び散乱断面積の計算のために使用した。これらの解析から得られた4重変形パラメータはO-164であり、過去によく使用されてきたsymmetric-rotator, vibrator modelにより得られる約0.6という値と比べ、かなり小さい値となった。しかし振動の関数として平均した4重極の実効的強度は過去の研究のものと同じ程度となっている。これはCの波動関数の自由度に対する柔軟性によるものである。この質量数領域においてSoft-rotator Modelはバンド構造及び中性子散乱データをよく再現することが分かった。
中川 正幸; 森 貴正
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(7), p.692 - 701, 1993/07
被引用回数:33 パーセンタイル:92.44(Nuclear Science & Technology)ベクトル化モンテカルロコードを用いて商用PWR及び高速原型炉の全炉心計算を行った。幾何形状は多重格子表現を用いてピンレベルまで正確にモデル化した。計算したパラメータは実効増倍係数、制御棒価値、出力分布等である。多群及び連続エネルギーコードを用いて計算し両者の結果を比較した。小さな分散を達成するため100万の中性子を追跡した。この結果高速ベクトル化コードは実効増倍係数、集合体出力、いくつかの反応度価値を現実的な計算時間で行えることが明らかになったが、従来のスカラーコードではこの様な大規模な問題を解くことは困難である。また目標設計精度を達成するのに必要なヒストリー数を評価し、ピン出力や小さな反応度価値計算のためには1千万オーダーのヒストリーが必要であることを示した。
沢 和弘; 田沢 勇次郎*; 板倉 洋文*
JAERI-M 91-128, 33 Pages, 1991/08
高温ガス炉の事故時における、炉心からの核分裂生成物(FP)の放出量を解析するために、計算コードRACPACを開発した。本コードは、以下のような特徴を有している。(1)原子炉停止後の被覆燃料粒子からのFP放出割合を、換元拡散係数を用いた解析解に基づき計算する。(2)核種毎の換元拡散係数は、通常運転時におけるFPの放出速度と生成速度の比(R/B)のデータから計算することができる。(3)事故後の炉心温度挙動に伴う放出割合の変化を計算することができる。本報告書は、RACPACで扱っている被覆燃料粒子からのFP放出モデル、換元拡散係数の計算方法、使用方法及び計算例を述べたものである。
熊丸 博滋; 藤井 幹也*; 下桶 敬則; 田坂 完二*; 久木田 豊
Thermal Hydraulics of Advanced Heat Exchangers, p.31 - 37, 1991/00
(密着)二重管型熱交換器(蒸気発生器)の安全性を向上させるため、熱サイフォン式二重管型熱交換器を提案する。熱サイフォン式二重管型伝熱管の伝熱性能を調べるため、1次系流体、作動流体、2次系流体に、沸騰水、減圧した水、室温流動水をそれぞれ用いて実験を行なった。実験で求まった最大総括熱通過率は、熱サイフォン部内の全外管表面で沸騰かつ全内管表面で凝縮と仮定した簡単な計算手法により求めた結果とよく一致した。この計算手法により実炉条件に対して求めた熱サイフォン式二重管型伝熱管の伝熱性能は、(密着)二重管型伝熱管の伝熱性能とほぼ等しくなった。総括熱通過率と充填率の関係を予測する計算モデルも、本論文中に提案されている。
関根 俊明; J.Cerny*; R.Kirchner*; O.Klepper*; V.T.Koslowsky*; A.Plochocki*; E.Roeckl*; D.Schardt*; B.Sherrill*
Nuclear Physics A, 467, p.93 - 114, 1987/00
被引用回数:31 パーセンタイル:82.59(Physics, Nuclear)重イオン核反応C(Ca,p3n)の生成物をオンライン質量分離することによって新しいアイソトープMnを見出し、その崩壊を研究した。このアイソトープの半減期は15010msと決定され、遅発陽子ならびに線スペクトルが得られた。遅発陽子放出の分岐比は(2.71.2)10、遅発放出のそれは最大610と結論した。シングルスとコインシデンス測定からMn崩壊図式を組立てた。これから得られたガモフーテラー強度関数を殻模型計算の結果と比較することによって、Mn崩壊におけるガモフーテラー強度消失ファクター0.530.17を得た。この結果を他の核種の崩壊研究、特にfp殻の鏡映遷移のデータ、と比較して論じた。
山田 光文*; 湊 章男*; 関 泰; 川崎 弘光*; 前田 正隆*
JAERI-M 86-084, 32 Pages, 1986/06
核融合炉等の設計において核発熱などによる炉コンポ-ネント中の温度分布を精度良く計算するために、核熱結合計算コ-ドシステムを開発した。今回開発した計算システムは2次元体系を対象としており、核発熱が時間的に一定な定常問題のみならず崩壊熱のような非定常問題も取り扱う事ができる。また、結果の図形表示機能を充実させた。本計算システムを用いる事によリ、2次元体系を対象とする核発熱による温度分布を 高い精度で効率良く求める事が可能となった。
大村 博志*
JAERI-M 9433, 109 Pages, 1981/04
燃料体に2本を対として挿入される制御棒の反応度価値を、相互干渉効果も含めて、精度良く評価するモデルを得るための検討を行った。単位格子に対し、Sn法、モンテカルロ法など数種の輸送計算コードを用い、使用する群定数や燃料体および制御棒の形状などのモデル化が実行増倍率におよぼす影響について調べた。また、後備停止系が入った場合も含め、反応度制御素子間の干渉効果を定量的に検討した。さらに、これらの結果を踏まえ、炉心計算のための断面積均質化法を制御棒挿入燃料体に対し検討した。その結果、制御棒間の干渉効果のため、従来の中性子束を重みとする平均化のみでは反応度価値を過大に評価し、補正を要することが示された。なお、モンテカルロ計算によれば、制御棒および後備停止系の挿入孔内に中性子ストリーミングが存在し、これによる反応度の減少は、格子計算によるものではあるが、1%k/k程度であることもわかった。
関 泰; 飯田 浩正; 井手 隆裕*
JAERI-M 6783, 69 Pages, 1976/11
原研で行なわれた核融合実験炉の第1次予備設計において超伝導マグネットの放射線に対する遮蔽設計を行なった。予備的に定めた遮蔽層を変更して全ての遮蔽設計基準が満たされる様にした。超伝導マグネットの遮蔽設計に対する1次元計算モデルの適用性を検討し、円柱モデルが適している事を示した。また生体遮蔽設計を検討し2mの厚さの通常コンクリ-トを2次生体遮蔽とすれば十分である事を示した。